スパイン研 三島 ~胸郭・肋椎運動に着目~ 2019年7月21日

前回と引き続き、スパイン研の研修に参加してきました。

 

前回参加のスパイン研の記事はこちら http://harajinjapt.info/2019/06/24/post-1016/

 

講師は清泉クリニックの島谷先生です。

 

スパインダイナミクス療法のコース研修の担当もされ、そして「サイモントン療法認定カウンセラー」という、なんだか希少価値の高そうな資格も持っているようです。

 

サイモントン療法は、サイモントン博士という方が考案したもので、がん患者さんに対する心理プログラムであり、研修参加や認定試験を受けることで認定されるようです。

 

このサイモントン療法の考え方は、スパインダイナミクス療法の考え方の根本と同じだそうです。私たち理学療法士は患者さんへ“身体的なアプローチ”を行うことを生業として関わりますが、治療の根本のヒントはサイモントン療法にもあるようです。

 

 

今年はスパインダイナミクス療法のマイスターコースまで受講する予定なので、学びを深めていきたいところ。

 

今回のスパイン研で得られた学びや気付きなど書いていきます。

 

Spine Dynamics療法とは?

 

この文章を読んで、ピンとこなかった人は、何度か見返して学びを深めてくださいとのことでした。

 

それぞれのキーワードについて分かっているか、説明できるかが理解度のポイントであるようです。

 

なぜ脊柱なのか?

 

最大限の身体機能を引き出すとはどういうことなのか?

 

体性神経系と自律神経系の身体応答機能を正常化とはどういうことか?

 

それぞれのキーワードについて説明できる、説明するために学ぶことは、

〇還元論と全体論

〇重力

〇ニュートン力学

〇脊柱機能について

〇自律神経について

などなど。

 

Andrew weil先生と言う、統合医療の第一人者の方の言葉に以下のような言葉を残しているようです。

 

アンドリュー博士という方、検索してみたら著書があったので、早速注文してしまいました。

 

上記、現代医学にできないことの中に、“慢性疼痛性疾患の治療”が入っています。

 

スパインダイナミクス療法は、特にこの慢性痛の治療に特化しています。

 

治療の考え方の根本は、人と重力の関係性や、人の体の仕組みについてなど、原理原則を学ぶ学術であるので、学びを深めるためのヒントや慢性疼痛患者さんの治療を行う上での考え方やヒントが多くあります。

 

 

慢性疼痛とは?

 

痛みの種類は、「心因性疼痛」「神経性疼痛」「侵害受容性疼痛」の3つに分けられます。

 

その中でも「侵害受容性疼痛」は、侵害受容器であるポリモーダル受容器が反応する刺激で「熱刺激による疼痛」「機械的(物理的)刺激による疼痛」「化学物質による疼痛(炎症)」の3種類に分けられます。

 

慢性疼痛は、痛みの時期で言うと急性期→亜急性期→慢性期の最後にあたります。

 

急性期の痛みは組織破壊による炎症性の痛みであるため、化学物質性の痛みです。

 

慢性疼痛は、組織の修復ができているにも関わらず、痛みを受容してしまいます。

 

非炎症性の疼痛、例えば膝が腫れていない、熱もない、でも何で痛いのか??

 

を考えた時に、機械的刺激疼痛を考えます。

 

スパインダイナミクス療法学術では、この機械的刺激の疼痛が起こるメカニズム、身体の中で目に見えない力の伝達はどのように行われているのか?を紐解いていきます。

 

そのために、ニュートン力学(慣性の法則、F=ma、作用・反作用の法則)、身体の質量分布で見る固定割合の高い体幹、脊柱の弯曲の利点やサスペンション機能、発達過程で進化した脊柱の弯曲のメリット、WBIについてなど学んでいきます。

 

そして、今回は研修テーマが「胸郭・肋椎運動に着目」であるため、上部体幹の胸椎に注目した座学や実技が行われました。

 

胸椎・胸郭について

健常人と慢性疼痛患者の弯曲比較では…

 

慢性疼痛患者の弯曲可動域

健常人と比較して慢性疼痛者では弯曲可動域が減少(九籐ら:2011

 

慢性疼痛患者の弯曲角度

・胸椎弯曲角度が減少(Dakeshita et al:2011

 

胸椎域、特に胸郭機能は、肩への影響や腰椎域の影響など、重要であることは経験上理解しやすいですね。

 

胸椎で、頚椎・腰椎にないものは何かというと…

 

 

 

自律神経の関与で、胸椎域は交感神経の活動異常で胸髄支配域の筋緊張へ影響します。

 

うさぎを使った研究によると、

交感神経ニューロンは、筋肉内の血管を支配するとともに側枝を出し錘外筋線維と錘内筋繊維の両者を同時に支配している。そのため、骨格筋の張力は交感神経系の興奮あるいは抑制によって影響を受ける。

 

人では証明されていないようですが、“実感”としてはあると思います。私の場合、交感神経過活動の時は、背中の張り感や肩こり、として感じます。

 

自律神経、体性神経は交通枝があり、相互作用することが分かっています。

 

そのため、下記のように交感神経活動異常が胸椎支配筋に作用、長く続く交感神経過活動な生活習慣やストレスなどが、胸椎フラット化を招く要因となります。

 

 

そして、交感神経活動異常による全身の血流の影響を考えると、狩猟時代からの人の本能を考えると、敵に見つかった時に骨格筋に血流を送り素早く動けるようにするシステム、ノルアドレナリンによる「闘争か逃走」反応により、消化器への血流を全身の四肢骨格筋へ毛駐留が集まり、消化器の働きを阻害します。

 

この闘争反応、現代では持続的な緊張、長期的なストレスにより持続した交感神経活動異常を起こし、四肢末端の骨格筋の血管が収縮された状態により、四肢の血行を阻害します。

 

持続的な交感神経過活動が、四肢の血流低下、低酸素症になり、毛細血管部分が阻血しやすくなるようです。

 

自律神経が体性神経に与える影響も考慮して、臨床での患者さんの生活習慣を聴取するのも大事ですね。

 

また、次回のスパイン研も参加したいと思います。