スパインダイナミクス研修アドバンス①in東京 2019年5月25日・26日

 

先日、スパインダイナミクス療法研修のアドバンス①「筋力トレーニングと臨床推論(上肢疾患)」に参加しました。

 

講師は嵩下敏文先生です。

 

筋力増強について学んだことや気付きなど書いていきます。

 

臨床上安全な筋力トレーニング論

〇運動療法とは?

運動療法とは、筋代謝機能を高めることで、運動機能の向上を図るものである。具体的には筋力トレーニングに他ならない。

 

筋代謝機能を高める運動療法について、筋力トレーニング論の足跡と題して、過去の研究紹介がありました。

 

1961年 Hettinger著「筋力の生理学」

1972年 Edwards  「ヒト大腿四頭筋における等尺性収縮中の筋温及び筋内圧測定」

1974年 Gollnick  「持続収縮時のヒト骨格筋における選択的グリコーゲン枯渇」

 

どのような研究を基に現在の筋力増強の考え方が提唱されているのか、過去の研究紹介があります。

 

Hettinger著「筋力の生理学」によると……

①運動強度の条件(最大筋力100%MVC)

・20%MVC未満では筋力低下

・20~30%MVCでは変化なし

・30%~50%MVCでは筋力向上(50%で最大効果)

・50%より大きい負荷では効果不変…ケガの可能性

 

②運動時間の条件  ※100%MVCの発揮持続時間10秒

・0.5秒未満で効果なし

・0.5秒より長いと効果増大、3秒=効果最大

・3秒より長いと効果不変

 

③運動頻度の条件

・2週間1回未満で効果不変

・1週間1回以上で効果増大

・1日1回で効果最大

 

検証結果では、

・100%MVC 5秒

・3セット/日 5回/週   の負荷で、

→2週間で効果出現

→6週間で最大27%増加

→6週間以上で効果不変   という結果が得られたようです。

 

外来リハで考えると、筋力増強が必要な方であると考えた場合、運動頻度で考えると「3回/週以上」が必要であるようです。

 

いかにHome-exが大切か、運動頻度が大切か、話を聞いていて分かります。

 

1961年にこうゆう研究・検証結果の論文があったとは面白いですね。

 

 

Edwards  「ヒト大腿四頭筋における等尺性収縮中の筋温及び筋内圧測定」

筋内圧(mmHg)=6.92×%MVC

 

上記、公式があるようです。筋内圧は、筋収縮力が高まれば高まるほど、筋内圧が高まっていきます。

 

血流は、20%MVCまで筋内血流は正常、それ以上の筋収縮力だと血流は阻害されていくようです。

 

血流遮断に必要な筋内圧は、350~400mmHgであるようです。これは、手術の止血のために使用する、“駆血帯”というものが、350~400mmHgだそうです。

 

これを、上記公式に当てはめてみると、

 

350mmHg(筋内圧)=6.92×%MVC

 

50%MVCで、6.92×50(%MVC)=約350となり、最大筋収縮100%MVCの50%MVCで血流が完全に阻害、すなわち“無酸素代謝”となるようです。

 

50%MVCで筋血流遮断

 

 

 

Gollnick  「持続収縮時のヒト骨格筋における選択的グリコーゲン枯渇」

・20%MVC未満の筋収縮ではST線維(遅筋)に依存する

遅筋、有酸素系、副交感神経優位(筋内圧↑ 血流→ O2→)

・20%MVC以上の筋収縮ではFT線維(速筋)に依存する

速筋、無酸素系、交感神経優位(筋内圧↑ 血流↓ O2↓)

⇒20%MVC以上の負荷で、血流と酸素利用が制限される

 

“20%”がキーワードであるようです。

 

20%以下では、有酸素系代謝、副交感神経優位である。しかし、筋力増強を期待するなら強度としては“変化なし”のレベルです。

 

HettingerさんやEdwardsさんの研究も踏まえて考えると、医学的に安全な筋トレは…

〇筋内血流を維持する負荷

〇ST線維での熱量発生を優先する負荷

〇等尺性筋収縮を避ける(交感神経緊張を避ける)負荷

 

筋収縮でいうと、35~45%MVCの負荷で、有酸素―無酸素系で血流を維持でき、なおかつ筋力増強も見込める負荷がお勧めであるようです。

 

 

筋力増強には、色んな負荷設定や方法がありますが、“医学的に安全な負荷で考えると、上記負荷設定が重要であるようです。

 

また続きを後日書いていきます!