メモの魔力by前田裕二 を読んで②


前回、メモの魔力についての読書評を書きました。前回の記事 http://harajinjapt.info/2019/01/07/post-630/

 

今回も引き続き、メモの魔力について考えたこと、気付いたことなど書いていきます。

 

メモで日常をアイデアに変える

著者の前田裕二さんが莫大な量のメモを取る理由、それは、

「より本質的なことに少しでも多くの時間を割くため」と言います。

 

本質=コピーではなく創造、代替可能物ではなく代替不可能物

 

クリエイティブで新たな知的生産につながる思考を深めるため、メモをとる。今後AIが進化し、創造力やオリジナリティが求められる中で、付加価値の低いことに思考労力を費やしている暇ではなく、これからの未来を生きる人類すべてにとってメモが見直され、身につけねばならない基本リテラシーになるようです。

 

メモは、「記録」<「知的生産」として使う、メモやノートを「外付けハードディスク」として第2の脳として使い、自分の脳は第一の脳、創造力を発揮させる自分の脳として使います。

 

メモによって鍛えられる5つのスキル

①アイデアを生み出せるようになる(知的生産性の向上)

前述のとおりです。

 

②情報を「素通り」しなくなる(情報獲得の伝導率向上)

メモを取ることは、自分にとっての有用な情報をキャッチするための「アンテナの本数」が増える習慣であり、日常のふとした瞬間にこそ、宝が眠っており、それに気付けて拾い上げられる強力なアンテナを持つべきです。

 

③相手の「より深い話」を聞き出せる(傾聴能力の向上)

紙のメモを取る姿勢が、相手にとって「私の話を聞いてくれている!」という、承認欲求を満たし、「傾聴」の力を態度で示すことにつながります。

「あなたの話から、一つでも多くのことを吸収したい」という姿勢が可視化される効果があり、聞き手にも話し手にも良い相互作用があります。

 

④話の骨組みが分かるようになる(構造化能力の向上)

構造化能力…議論の全体像が常に俯瞰で見られて、今どの話題を、どんな目的で(何に向かって)、どこまで話しているのか、ということを(なるべく瞬時に)把握する力。

 

この能力のイメージは、PCで例えると、「親フォルダ」を作って、どの情報がどの「子フォルダ」に入るのかを丁寧に仕分けしていくようなイメージであるようです。

“天気”を例に挙げて、「天気にはどんな種類があるか?」という議論であれば、子フォルダの並列で横並びになる要素を探す議論になります。

子フォルダの、「雪」についての議論なのか、雪の議論を深めるのであれば「みぞれ」なのか「ひょう」の話題なのか、深堀していく議論となります。

しかし、議論の中では、「雪」の議論のはずが、「雨」の子フォルダの議論を繰り出してくる人がいる、こうゆう場合に、“全体の構図”を頭に浮かべながら、どの子フォルダの議論を進めているのか、議論のテーマが変わっていないか、話し手自身がどの子フォルダの話をしているかわかっていないのではないか、など全体を俯瞰して考えることが良いようです。

とても分かりやすいですね。

 

⑤曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)

メモをとることは、頭の中でぼんやりと思っていることを「言語化」すること、アウトプットすることです。

生活の中で、「すごい」や「やばい」の形容詞で片付けるのは、もったいないと言います。

「やばい」と思ったことは、“何が”やばいのか、“何で”やばいと思ったのか、“どの要素に”やばいのか、自分の感情を言語化し、より深堀することで言語化能力の向上になります。

 

この、メモで見につく5つの力、日常をボーっと過ごすのではなく、自己成長を加速する5つの要素であると感じました。

 

アイデアを生み出すメモの書き方

前田さんのメッセージとして、

僕は、この本を通じて「ノウハウ」を伝えたいわけでは断じてありません。もちろん、ここで伝えるフォーマットをそのままコピーすれば、皆さんの言語化能力や説明能力は、創造を絶するほど飛躍的に伸びるでしょう。しかし、それ以上に本質的で重要なことは、もっと根底にある姿勢の部分です。何らかの目的をもって、日々、あらゆる情報に対して、毛穴むき出し状態でいられるかどうか。身の周りのあらゆる情報にアンテナを張り、そこから何らかの知的生産を行う意識を持てているかどうか。この、弛まぬ知的好奇心と、知的創造に対する貪欲なスタンスこそが、メモ魔として最も大切にすべき基本姿勢であり、この本に出会ってくださった美沙何にフォーマット以上に身に着けてほしい要素です。

メモの魔力/前田裕二 P38~39引用

 

How toではなく、“姿勢”の部分を強調しています。メモによって鍛えられる5つのスキルでもありましたが、創造力を高める(知的生産性)ことや、聞き力を高める(情報を素通りしない・傾聴力を高める・構造化する)、思考を深め語彙力を高める(言語化する)ことは、“生きる力”を高めることであると思います。

 

この、“生きる力”を高めることであれば、やり方はどうであれ、ノートやメモの取り方はどうであれ、“姿勢”が大事、というこのメッセージ、大変共感しました。

 

前田さんのメモの方法、How toの部分はどのようであるか、大変参考になります。

 

〇ノートは見開きで使う

ノートの左側には左脳的な「事実」、右側には右脳的な「発想」を書いていきます。

見開きで使うこと、スペースを広く取り大きく使うこと、人の脳を意識して使うこと、大きく使ってスペースが開くことにより人は潜在意識で「埋めなければならない」という意識が働き、メモをとる・思考を深めることにつながるようです。

 

〇左側のページに書くことは?

左側のページには「ファクト(事実)」、客観的な事実を書きます。仕事で交わされた会話の内容や、仕事以外で自分が感じたこと、琴線に触れたもの、事実を書いていきます。

簡易的に、一つのキーワードにまるをして、そこを中心に枝葉のように書き足し、“簡易的マインドマップ”を書くのもよいそうです。

また、見開き左側ページのさらに1/5くらいの左のスペースに、「標語」のための列を作り、ファクトで書き出したキーワードから、「要は何の話か」ということを一言で書き添えて使うようです。議論の場面であれば、話の内容(ファクト)を書きながら、「標語」を書く作業を同時進行できるようになってくると、「構造化能力」や「言語化能力」も身についていくようです。

 

〇右側のページに書くことは?

右ページは、半分に分けて使います。

・右ページの左側

「抽象化」した要素を書きます。左ページの客観的事実の「ファクト」を見つめて、そこで書かれている具体的な内容を「抽象化」します。

・右ページの右側

右ページの左側に書いた「抽象化」した内容を、別の何かに適用して実際に行動を変えるため、「転用」の要素を書いていきます。この「転用」という段階までたどり着くこと、強調してもし足りないほどに重要である、と言います。ファクトから得た気付きを、抽象化することは必須であるが、自分が世界を抽出した気付きから、アクションに「転用」することを通じて、自分の日々が、人生が変わると言います。

 

「ファクト⇒抽象化⇒転用」というフレームワーク

前田式メモ、エッセンスはシンプルに3点であるようです。

①インプットした「ファクト」をもとに、

②気付きを応用可能な粒度に「抽象化」し、

③自らのアクションに「転用」する。

この3つに尽きるようです。

 

ここで出てくる「抽象化」という言葉、この言葉に聞きなれていないため、中々頭に入ってこなかったです。抽象化とは何か?前田さんの抽象化とは、

「(ファクトをもとに)ここで書いた具体的な情報を受け、何か言えることはないか。そこに気付きはないか。他に応用可能な法則はないか。こうした思考作業を僕は抽象化と呼んでいます。」

 

前田さんが行っている、「SHOWROOM」というビジネスは、前田さんの過去の体験(幼くして両親を亡くし、生計を立てる手段の一つで駅前でギターの引き語りをしていた)を「ファクト⇒抽象化⇒転用」フォーマットによるアイデア創出の影響を大いに受けているようです。

 

◎ファクト

・カバー曲を歌うと、オリジナル曲の時よりも立ち止まってもらえる

・立ち止まってもらった人のリクエストに答えると、ぐっと仲良くなる。

・そうして仲良くなった後にオリジナル曲を歌うと、もっとお金がもらえる。

◉抽象化

・仲良くなるには、双方向性が大事。

・人は「うまい歌」ではなく、「絆」にお金を払う。

★転用

・双方向性があり、絆が生まれる仕組みをネット上に作る。

※それによって、アーティストが自分の力で(リアルよりも効率的に)ファンを増やし、お金を稼ぐことができるようになる。

メモの魔力/前田裕二 P55~56引用

 

今でこそ、「ファクト⇒抽象化⇒転用」という形ですが、この原型は、小学生の時から培われたようです。

 

小学生でギターの引き語りをしながら、今でいう「PDCA」のようなことをやっていたようです。凄いですね。

 

上記の様に、起きた事象に対して抽象化と転用を行い、そしてその原体験が現在のビジネスにつながっている、まさに“メモの魔力”ですね。

 

今回も、メモの魔力について書きました。

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良い本なので、おすすめです!!

書評

Posted by YK